2021年から、バンダイが1/32 Imaginary Skeleton ティラノサウルスを展開し、プラモ棚に恐竜がラインナップされ始めて久しいですが、古くから恐竜プラモデルは世にあり、見かけたことのある人も多いかと思います。
先にキットレビューしたタミヤの1/35恐竜世界シリーズなど、古くからの顔なじみです。
今日は、最古の恐竜プラモ(?) タミヤの1/35恐竜シリーズNo.4 PTERANODON と
最新の恐竜プラモ バンダイ プラノサウルス プテラノドン の2つのキットをレビューします。
恐竜プラモの古今を、最新キットを通してみてみたいと思います。
【バンダイ】プラノサウルス プテラノドン
プラノサウルスシリーズ
プラノサウルスは、2023年よりバンダイで展開されている恐竜プラモのシリーズです。
2024年6月現在で、リリース予定・バリエーション違いを含めて12種のキットがリリースされています。
可動モデル、骨格と外皮の分離ギミック、色プラ、そして低価格として、低年齢層へ向けたキットとなっています。
パッケージ
ガンプラと比較して、薄いパッケージで、コンパクトなボリュームが見て取れます。
プラモデル売り場に並ぶキットですが、対象年齢が6歳以上に設定されており、競合はお菓子売り場の食玩のになると思います。
食玩よりも、もう1味作りごたえのあるキットです。
ちなみにガンプラの1/144水星の魔女シリーズが対象年齢8歳以上でした。
ガンプラのバンダイだけあって、接着剤不要のスナップフィットかつ色プラです。
後述しますが、パーツゲートの湯口がとても細く、手でもぎれる程の為「工具不要」の記載がありますが、当然ニッパーがあったほうが簡単にパーツを切り出せます。
ランナーの梱包は、OPP袋です。
ランナー
全9ランナーで
- 骨格の白
- 外皮の明るいグレー
- 外皮の暗いカーキ
- 嘴のイエロー
- 台座のクリアカラー
と成型色豊富です。
シールは頭部の鶏冠と、目ぬ部分、台座に貼る名前シールで、旧来のホイールシールより薄く、曲面に正確に張り付けるのは難しいです。
組み立て説明書は、片面カラー/片面モノクロの1枚が蛇腹折でパンフレット風になっています。
説明書には、組み立ての工程の合間に、恐竜雑学がイラストとともに差し込まれています。
イラストレーターは笠原ひろとさんということで、X(旧ツイッター)で、他のキットの紹介もされていました。
【お仕事】バンダイナムコ様より発売のプラモデル『プラノサウルス』のティラノサウルスとトリケラトプスの取扱説明書内、イラストカットと4コママンガの制作をさせていただきました!許可をいただければ追ってイラストも紹介できたらと思います!よろしく!https://t.co/n17liMHjCf pic.twitter.com/5eRpmeXKH4
— 笠原ひろひと🇯🇵イラストレーター (@noco_studio) January 23, 2023
恐竜への監修は富田京一さんで、過去にレビューしたImaginary Skeleton シリーズと同じ人物です。
肩書に肉食爬虫類研究所 代表とありますが、残念ながら該当組織についての公式なHPが見当たらないため、法人格があるのかなどは不明です。
また、資料協力に 江口 仁詞(TCA東京ECO動物海洋専門学校)とあり、こちらは動物学校として多くのつながりを持った組織でした。
組み立て
バンダイのスナップフィットだけあり、ゲートの湯口が極めて細く、手でもぎれるほどです。
ニッパー不要を謳うだけのことはあり、家庭用のハサミや、デザインナイフを軽くあてるだけでも、パーツの切り離しができます。
シールは、デカールほどではないにしろ、非常に薄いです。
デカールのようにパーツ表面を滑らすことはできませんが、デカールより丈夫な為、貼り直しがしやすいです。
目の部分は極小サイズで、立体的な部分への貼り付けは、つまようじやデザインナイフの背などでなじませればしっかりと貼りつけできます。
プレビュー
プテラノドンキットは、骨格ビルド/恐竜ビルドそれぞれで、飛行ポーズ/着陸ポーズがあるため、4パターンの遊び方ができます。
恐竜ビルドと骨格ビルド
プラノサウルスシリーズの最大の特徴は、骨格に外皮パーツを取り付けて、骨格ビルドと恐竜ビルドという2パターンを差し替え変形させたられることです。
骨格も、ボールジョイント関節で、ある程度の可動域があり、外皮パーツの干渉は合っても、そのまま肉体の姿でもうごかしてポージングが可能です。
スナップフィットで、差し替えパーツが多いため、隙間へ差し込める工具があると、差し替えが簡単にできます。
ペン先や、精密ドライバーでも問題なく外せられるほどのテンションですが、骨格パーツは細く柔らかめのプラ素材の為、メーカーで種類の多いパーツオープナーの中でも、同じBANDAI SPIRITSのパーツセパレーターであれば、プラ素材へのダメージを減らせます。
2パターンの骨格と、外皮パーツ、そしてディスプレイ用のスタンドパーツがあるため、パーツ数は多めになり、ディスプレイの方法次第では、余剰パーツが大量に出ます。
【タミヤ】1/35 恐竜シリーズ プテラノドン
タミヤ恐竜シリーズ
タミヤ恐竜シリーズは1981年にリリースされた恐プラモです。先にキットレビューした小恐竜セットの世界恐竜シリーズよりも古いキットです。
今回レビューするプテラノドンは、令和最新のキットとして、2024年5月に発売された恐竜シリーズNo.4のキットです。
実はこのキット、恐竜シリーズの発売前に、試験的に発売されたプテラノドンのキットのリパッケージ版で、いわゆる恐竜シリーズNo.0(ゼロ)にあたる、元祖恐竜プラモといえます。
パッケージ
パッケージは小ぶりで、バンダイのプラノサウルスキットよりもさらに1まわり小さいです。
先にレビューした世界恐竜シリーズ同様、箱の内側の底面には、多言語で注意書きが記されています。
中身は最古のものでも、キットとしては令和最新キットの為、パッケージも鮮やかな海面と岩場が描かれています。
イラストに関する記載は見つけられませんでした。先にレビューした世界恐竜シリーズと同じ方なのかも不明です。
81年当時、このキットは箱ではなくビニール袋での販売だったようで、当時の購入の様子を記した記事を発見したほか、中古品の販売のページもありました。
ランナー
ランナーはなんと全2枚!!しかも固いクリアランナーです。
ランナーの梱包は、ビニールをホチキス止めした袋です。
組み立て説明書は1色印刷のぺら1枚で、プテラノドンに関するちょっとした解説など、複数言語で記されています。
胴体パーツと、腹パーツの合いが悪く、ピッタリとした曲面になりません。
固いクリアランナーの為、無理やりはめ込みました。段差が出ますが、がっちりハマってしまい、接着剤を使わなくても固定されました。
翼の先端にバリがありました。きれいな円形なので、先端までプラが流れるよう、故意に用意したものでしょう。
首と胴体の分割は、はめ込みなどではなく、完全接着剤での固定となります。
レジンキットように軸打ちしてもよいのですが、硬く、透けるクリアパーツでることと、皺表現がある部分の為、段差やパーツのズレが合っても目立ちません。
プレビュー
キットは、
- プテラノドン本体
- 台座ジオラマ
- ディスプレイ棒
- 人型見本
- ネームプレート2種
です。
ネームプレートはカタカナ表記、英語表記の2種類が選択式です。
台座は、硬いクリアプラパーツが分厚く流し込まれ1枚パーツで、重量があります。
サイズ比較用の、人型パーツがペラ1枚あります。(アクリルスタンドのように台座がないため自立しません
全体がクリアパーツの為、薄い羽部分など透けて向こう側が見えます。透かしによって、皺表現も際立ちます。
恐竜の博物館+プラモの博物館
2つのキットはならべることで、本物の博物館のような展示ディスプレイが可能です。
生きていたイメージ図と骨格を並べられ、さらに人型でサイズ見本にできます。
この2キットが並ぶことで、恐竜の博物展示であると同時に、最古の恐竜プラモと最新の恐竜プラモという、
プラモデルの歴史を見通す博物展示にもなります。
両キットでおおよそ同じサイズになります。
タミヤのキットがクリア成型で透けるため、バンダイのキットの骨格を透かして見るもともできます。(微妙に翼の湾曲具合が異なるため完全な透かしは無理)
大雑把なパーツ分割や、固定ポーズといったタミヤのキットに対し、バンダイキットは可動と差し替えのギミックで遊べるほか、プラ材の柔らかさ、取り扱いやすさ、など、多くのプラモデルの進化を見ることができます。
両キットとも低価格ですし、同じプテラノドンキットで、プラモの歴史、恐竜への造詣の歴史を比べてみてください。
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