2024年2月26日にコトブキヤよりアルカナディア エレーナが発売されました。この記事でキットレビューをしていきます。
昨今、複数のメーカーから様々なブランドが登場している美少女プラモの市場に突如現れた、ケンタウロス型の美プラ。
そのインパクトから、普段美プラを購入しなくても思わず買ってしまった という人は多いはず。
このキットは複数のブランド展開で美プラを牽引してきたたコトブキヤから、「美」への多角的なアプローチを感じる事ができました。
プラモデルの遊びをまた一つひろげる、特異点となるキットです。
馬という造形というだけで、モデラーとして触っておきたいキットでしょう。
プラモデルを通して表現を追い求める、ブキヤの挑戦をみていきたいとおもいます。
高級感とボリュームのあるパッケージ
MGサイズで抱える大きさのパッケージです。箱絵はZトン(※リンク先アダルト注意)さん。上面・下面・天面それぞれ別のイラストとなっています。
箱には箔押し装飾が施され、高級感を出しています。
ランナーサイズは箱の半分程度、取説は中綴じ冊子になっており、38ページに及ぶ分厚さです。
成型色と質感の異なるランナーでの表現力
ランナー数は20ランナー+個別パーツ。クリアランナー、フェイスパーツは印刷済みの表情パーツが4種で、別途デカールも付属します。着色パーツと帽子パーツはランナー別です。大半がABSで、人の肌の部分はPOMパーツ。ハンドパーツは柔らかいPVCとなっており、取説に記載があります。
クリアー気味で透け感を出す
人体で素肌でない部分は、ブラウンの少しクリアー気味の成型色となっており、シアーインナーのように濃い色の生地から、肌が透けるような表現となっています。
馬のフォルムが見えるブラウンランナー
ランナーからも馬の持つ筋肉美と曲線美を見て取れます。
金装飾のゴールドランナー
金属部分のゴールドランナーは差し色となるため少な目。
ブロンズ素材のグレーランナー
ランナーで見るとクリームっぽい色合いですが、組みあがるとシルバーやブロンズといった質感が出ます。
肉体の曲線を映すランナー
人の部分と馬の部分のグラデーションとなる腹筋・お尻のパーツは、馬の肌色の茶褐色と、引き締まった女性のプロポーションが見て取れるパーツになっています。
筋肉美が見えるランナー
馬の脚の筋肉表現が見て取れるパーツです。
美少女+美馬の組みあがり
美人を魅せるフェイスパーツ
耳は個別パーツで差し替え式です。
フェイスパーツはデフォルトで4種の表情があり、それぞれのデカールも付属します。
頭部を他の規格に変換できる首パーツも付属します。
ポニーテールは半球2つのジョイントパーツで、多彩に稼働し、リボンパーツの装飾があります。
胸元は、襟パーツ・ネクタイパーツと細かくパーツ分けされています。
左右非対称の腕
左腕はアームカバー装飾があり、二の腕のデザインリングのパーツは、3㎜軸アタッチメントパーツと交換できます。
ハンドパーツはちっちゃい半球ボール軸接合。5種類で
- 指さし
- グリップ
- 平手
- パー
- グー
となります。接続の半球ジョイントは計4つ付属します。
魅惑の腰つき
胸部と腹部のパーツ分割により上半身を大きくねじることができます。
腰パーツはそのまま馬としての胸部とのグラデーションとなり、開口部の形状から回転は難しいです。
構造的には素直な前脚
前脚のパーツの造形は馬特有の曲線美があります。
可動ギミックは、そこまで奇抜なものではなく人型のものに近いです。
馬らしさを大きく象徴する足先の蹄は、4つのパーツを用いて非常に精巧につくられています
大ボリュームを支える曲線美ボディ
ボディは大きくモナカ式です。前部分と胴体からお尻までを分割でひねることができ、人体の垂直な構造から馬の水平な四肢の流れを支えます。
馬の脚力を体感できる後脚
後脚は大きく逆関節調になり、ハの字に展開できるような構造になっています。
実際の馬という動物をしっかりみたことがなかった筆者は、通常の脚部の状態がわかりませんでした。
どこまで曲げてよいのか、伸ばし切った姿勢では大きく尻が上がり変になる 等、馬の身体をよく知ることができ、大変勉強になりました。
後ろ足の筋肉はとてつもなく大きくて、馬力の根源を感じることができました。
可憐な尻尾
尻尾は、髪のポニーテールと同じで、そのまま大きくしたような構造です。
装飾の美しい武装の数々
差し替えパーツによる武装モードへの変身
腰の前垂れはエムブレム、サイドの腰だれはキルト
腰だれと、サイドアーマー。
サイドアーマーはキルト生地のような造形のたれになります。
サイズの違う脚装甲
前脚のアーマーは、膝と足首部分のものが差し替えになります。
フリルとボア生地の腕装甲
腕は上腕部のみ流用で、肘を中心に防具の装着となります。
肘の曲がりに干渉するパーツなのですが、上腕部との接合をスライドすることができ、可動域を確保しています。
胸部装甲
可変ギミックを備えた槍と盾
槍は後記述のギミックにより、途中でボールジョイントにより少したわませられます。
先端が王冠型とトッ突き型に差し替えとなり、雅なグリップがあります。
盾はMk-Ⅱのようなスライドとバスターシールドのようなハサミギミックがあり、白黒の部分はそれぞれの板パーツをはめ込む構造です。
武装は馬の頭として収納状態に変形できます。
ボリューミーな差し替えパーツ
ギミックも含めて、豊富な差し替えパーツがあり、すべてのフォルムにチェンジするだけでもかなりの時間を溶かします。
勇ましさを備えたフォルム
人の美・馬の美・プラモの美の体験
以上、コトブキヤのアルカナディア エレーナのキットレビューでした。
人間の女性を、馬を、まだ見ぬ魅力的なアングルを探求できる神キットです。
馬という、人とは構造が異なる生き物を、可動させて遊べるというプラモデルの神髄を体験できるキットとして。
プラモデルの遊びをまた一つひろげる、特異点となるキットとなっています。モデラーとして、触っておきたいキットでしょう。
是非手に取ってみてください。
追記.
こっちのキットレビューも是非お読みください。
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