SMP [SHOKUGAN MODELING PROJECT] スーパーロボット大戦OG R-2パワード&R-3パワードというパッケージでSRXへの完全変形のプラモデルキットが、2023年5月にプレミアムバンダイから発売されました。
今回は同梱キットのうちR3 パワードのキットレビューとなります。
R3からレビューするのは、R2・R3のキットが同梱キットであり、それぞれのパーツ構成、ランナー構成を見分けやすいと考えたからです。
R3⇒R2⇒R1⇒R-GUN⇒オプションパーツセット⇒変形合体 といった順でレビューできればと思っています。
これまでR-3はキット化されてこなかったのですが、その理由を整理し、なぜ今回キット化できたのか見ていこうと思います。
SMP R-2パワード&R-3パワードキット概要
「食玩」カテゴリーのSMPブランド
SMP は[SHOKUGAN MODELING PROJECT]というシリーズで、過去はスーパーミニプラという名称のシリーズからの派生ブランドです。
ミニプラということで、食玩プラモがベースになるのですが、近年は価格もボリュームもガンプラを大きく上回っています。
これまで、スパロボのプラモデルはコトブキヤがシリーズ展開しているのみでした。
そのシリーズはノンスケールではあるものの、R-1、R-2と同スケールで展開しており、さらに大質量となるR-3はキット化が難しく、SRXのように、R-3のみ別スケールでの販売はためらわれたのでしょう。
そこで、今回は縮尺の定まっている(※正確には違うものもある)ガンプラなどとは別の食玩規格での立体化となったと推察できます。
バーター&限定販売が生んだ高価格
R-2パワード&R-3パワードは、食玩とは名ばかりの31,130円。
オプションパーツセット8,470円とのセット販売で、40,260円という高価格で、購入を見送ったという人もいるのではないでしょうか。
バンダイの戦略として、単独変形機構のあるR-1/R-GUNのキットは単独販売も購入見込みがあると思われます。
R-2/R-3はパワーアップユニットとはいえ、単独での機体人気が落ちることから、「SRXへの合体」という付加価値と一緒での販売でないとセールス規模がないと判断されたのでしょう。
SRX変形玩具
先に発売されていたSMPのR-1&R-GUNとを買いそろえることで、完全変形のSRXのプラモデルキットとなります。
SRXは、千値練からRIOBOTシリーズで完全変形のアクションフィギュアが出ているほか、過去にボークスからSRX VARIABLE BOXというキットが出ていたり、合体変形を無視した、プラモデルがコトブキヤから出ています。
他のメーカーが、ギミックのための強度設計や、塗装のため、素材の制限を受ける中で、さらにランナー成型、組み立てパーツ構成といった、より難易度の高い立体化となったキットです。
今回のキットは、プラモデルキットという所が、他の玩具との最大の違いです。
R1&R-GUNキットは、一般流通にも乗った一方で、R2,R3はプレバン限定での発売となりました。
プレミアムバンダイ限定という限定的なセールスと、SRXへの変形合体の付加価値のマッチングが、本立体化の肝と言えるでしょう。
同じシリーズからバンプレイオスも発売されており、一まわり小さいSRXのキットサイズ感が伝わればと思います。
全部まとめたキットパッケージ
R-3はデザインからもわかるように、デンドロビウムのような、「人型にこだわらない兵器マシン」のデザインの為、他のマシンと機体サイズ、デザインコンセプトを揃えなくてよく、ひときは大きい機体となりました。
さらにR-2とのセットのパッケージとなり、さらにオプションパーツもセットとなったため、総重量がとんでもないプラモデルキットとなりました。
プレバンからの大箱
R2パワード、R3パワードは2体1セットのキットになります。
さらに「天下無敵のオプションパーツセット」というSRX合体用の拡張パーツもセットでの販売な為、プレミアムバンダイからは、電子レンジなみの大箱が届きます。
R2パワード&R3パワードのセットパッケージ
大箱の中に、プレバンおなじみの個別ダンボール梱包があり、そこから本パッケージを取り出して初めて商品像が見えます。
過去のプレバン商品でも見受けられたのですが、パッケージの封印シールが一度貼られたのちにカッターで切って開封された跡があり、さらにその上からもう1度封印テーテープが貼られている状態なのはなぜなのでしょうか?
詰め込まれたBOXを開封
開封すると、R2パワードとR3パワードと合体用のランナーが縦に入っており、小ぶりのランナーはスペーサーの仕切り板の中に納まっています。
天上天下念動無敵剣の刀身は、パッケージの縦横サイズよりも長いため、対角線上に収納されていました。
ランナーは、基本的にはR2パワード用の【2】ランナーとR3パワード用の【3】ランナーに分かれており、とりあえず、大まとまりの【3】ランナーのみ取り出して組み立てます。
脅威の26枚ランナー
【3】ランナーは26枚ありました。アルファベットのA~Zまであります。
個別パーツもあり、いくつかはR2用のパーツとなり、R3と混ざっています。
シールは少し薄いのか、大箱のパーツ類の中でヨレたのか、少しぐにゃった状態でした。(使用に問題はありませんでした)
組み立て後に発覚した【2】ランナー
組み立て後に、一部の【2】ランナーもR3で使用することがわかり、大箱から取り出しました。また、【2】ランナー群の中にも【3】ランナーが紛れ込んでおり、不足分を探すことになりました。
技術の詰まった組み立て
各ランナーとも、ほとんどがアンダーゲートでのパーツ成型で、ゲート処理の跡が出にくい構造になっています。
個別パーツはときおりゲート処理が甘い箇所があり、通常気にする程ではないにしろ、丁寧なゲート処理をする場合は、一番目立つ箇所になるかもしれません。
ランナーをどう保管するか問題
パッケージが大箱の為、組み立ての際はR2パワード用/R3パワード用のランナーを取り出し、使用分のみ分けて組み立てるのが現実的です。
しかし大箱は大きく底も深い為、取り回しが難しく、ランナーを触るごとにいちいち箱へ戻すのは大変な手間です。
ランナーをまとめて置くための工夫が必要になります。
細さとギミックに注意が必要なR3本体組み立て
R3という機体が3体合体の下半身担当な為、通常の人型ロボットとは構造が大きく異なります。
それでもR3単体での可動・ポージングの為、ボディ、関節の付き方がユニークでそれ故に脆い部分も多いです。
筆者は、太もも部分の腰パーツとの接合ヒンジをねじ切りました。(針金と瞬着で補修)
バンダイの技術力が詰め込まれたR-3キット
脆さをカバーし、ポージングも変形も可能なR-3本体
R3本体は食玩プラモっぽさを感じられる程度には小ぶりで、小さめの1/144(F91等)のようなサイズ感です。
しかし可動はよく考えられており、手足はよく動き、手首パーツが細かったりと破損注意箇所も多いながら見事なプロポーションをしています。
グリップは、
- 拳
- 平手
- ビームソード用グリップ
- メガビームライフル用グリップ
- 念動集束キャノン用グリップ
が各左右となります。
武器までそろったキット
武器は
- メガビームライフル
- ビームサーベル(グリップ×2)※刀身はR2のも合わせてか4本
- 念動集束キャノン
- ストライクシールド×6
- テレキネシスミサイル×8
で、テレキネシスミサイルはエフェクトパーツも8つ、台座も9つ(1つはR2本用?)となります。かなり切り出しが面倒でした
大質量を支えるR3パワード
パワードパーツを取り付けると、ずっしりと重いボリュームキットとなります。
重さは1/100のMG以上。ペーネロペーあたりといい勝負なのではないでしょうか。
パワードパーツという名の足
パワードパーツは、ほぼSRXの足にあたり、R3パワードの2/3以上を占めています。
組み立てにあたり、26枚のランナーを幾度となく取り替えての組み立てとなり、非常に労力がかかります。
組み立て説明書においては、なるべく1コマには1ランナーとなるよう配慮がされていますが、構造がつかみにくいない巨大な塊を、成型色の異なるランナーごとに切り出し、組み立てるのには苦労しました。
接続保護パーツでがっちりホールド
R3はパワードユニットの取付は、台座-左右のパワードユニット-念動集束キャノンをそれぞれ接続させる補助パーツを脚部に装着してパワード形態を保持します。
接続保護パーツがあれば、R3本体なしでも安定してパワードユニットを保持できます。
テレキネシスミサイルギミック
ギアで角度調節可能な台座
バンダイキットではおなじみの、硬いクリアパーツの台座は、大きなギア仕込みで、機体の角度を調節できます。
ポージングなしでも、重さが満足感を与えるキット
以上R3パワードのキットレビューです。
R3単体の華奢さと、パワードのボリュームのギャップが面白いキットです。
特にパワードパーツは足に変形させたときのSRXのサイズを想像させ、とてつもない巨大キットに思いを馳せることができます。
ポロポロはなく、ユニットの保持力も優秀な為、飛行機プラモのようにブンドドが捗ります。
R3パワードを組み終わったタイミングでの【3】ランナーの残りパーツです。
セットであるR-2のパーツよりかは、SRXへの変形に使うパーツになります。
立体化に恵まれない理由を克服した優秀キット
過去、スパロボプラモはコトブキヤでシリーズ化さていました。(ヒュッケバインでも、当時のキットと2023年発売のバンダイキットと比較しています。)
しかしながら、コトブキヤからはR-3は発売されませんでした。
理由はいくつか考えられますが、
- キットの大型化にコストが合わないということ。
- SRXへの合体ギミックの難しさ。
- R-3単体でのセールス見込みの低さ
これらの難題をすべてクリアし登場したキットだけあって、形になるだけの理由が詰め込まれています。
- SMPという規格にとらわれないブランド
- 変形・合体を可能にしたバンダイの技術力
- R-2との、SRXへの合体ギミックとの、合体オプションパーツセット、との抱き合わせセットかつ、プレミアムバンダイという限定された販路での販売とマッチング
まだ、手に取ってない人は、是非「バンダイの技術力」を体験してください。
SMPシリーズのまとめとして、SRXへの合体レビューをしています。こちらの記事もご覧ください。
ついにバンダイからヒュッケバインが発売され、なんちゃってガンプラの地位を返上したMk-3をキットレビューしています。こちらもご覧ください。
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