プラモデルは長い歴史があり、男性であればこれまで全く触れてこなかった人の方が少ないのではないかと感じています。今現在プラモデル趣味でない人も、こどもの頃に1度はおもちゃとしてプラモデルの箱を開けたことがあるのでないでしょうか。
今や一大コンテンツのガンプラ以外にも、車や戦車、飛行機等プラモデルにはいろんなジャンルがあるのですが、ガンプラ以外触ったことのない人も多いかと思います。
世にはたくさんのプラモデルがあります。いつも立ち寄るおもちゃ屋の1本違う棚には、いつもスルーしてしまうスケールモデルや美プラ、何かよくわからないジャンルのものがひしめいているはずです。
そういった新ジャンルの開拓にピッタリの、様々なジャンルのプラモデルを網羅的に紹介し、なおかつ初めてプラモデルの箱を開けた時のワクワクを思い出させてくれる雑誌があったので紹介します。
それが「最強プラモ -みんなで開けようプラモの箱ー」です。
この雑誌は、現在のプラモ市場の大まかなジャンルを網羅的に取り扱っており、「ふたを開ける」のとおり、ランナーや素組の状態でのキット紹介に重心がおかれています。
プラモの入門書よりも前にある、プラモの世界を見渡す本のため、プラモ趣味への理解を得るためや、プラモ趣味へ誘うきっかけになる本です。
今まで、プラモデルに触れてこなかった人や、1ジャンルのみで他のプラモをつくったことのない人へ向けて、それぞれの人へプラモデルの入り口にあるワクワクを届けてくれる、プラモデルを身近にする書籍の紹介です。
書籍紹介
この本は、ホビージャパンから発行されているムック本です。
模型遊びの入門書
用語解説ページ
プラモデルの入門書と謳っている通り、書籍の冒頭では専門用語の解説ページから始まります。普段プラモデルに触れている人間ならなんとなく理解できる用語も、聞きなじみのない人へ向けて解説されています。
ジャンル紹介ページ
プラモデルの大まかなジャンル紹介ページもあるのですが、自分が一大ジャンルと考えていたガンプラは、「ロボットプラモ」として1スペースで紹介されており、新鮮でした。
プラモの購入・工具紹介
初心者への配慮からか、プラモデルの購入方法や工具の紹介ページが続き、初めてプラモデル趣味へ足を踏み入れる人の追体験のようなページ構成となっています。
連載企画 OPEN THE BOX
軽く調べたところ、執筆・編集の三環 しおん さんはホビージャパン内で「新旧問わず気になるプラモの箱を開けてみよう」という連載企画をされており、その記事の編集が、本書籍になります。
最新商品から定番商品まで
ラインナップの順番もかなり自由で、カーモデルから始まり、キャラプラモではボークスやWAVAから入ります。
バンダイのガンプラはほとんど触れず、ジオラマ規格のHG HARD GRAPHをとりあつかったりと、市場規模やメーカーへの忖度などお構いなしに、かなり個人の趣味に偏ったラインナップとなっています。
プラモの「素の姿」
連載企画は、各キットにフォーカスをあてて、ランナー状態や素組の状態の写真を掲載しています。
かなり素組の状態を前面に出していて、通常のプラモ雑誌における、塗装や作例の紹介はほとんどありません。
とりあえず「組み上げる」ことに注力させたいのか、難しかったり失敗しやすい箇所のへのアドバイスや、組み立てる作業の中での盛り上がり部分にフォーカスを当てています。
マフィア梶田の表紙が目印
書影の男性は、マフィア梶田さんという方で、ゲームライターからタレント活動まで行われており、現在はYoutubeで個人チャンネルや、声優の中村 悠一、漫画家の大川ぶくぶ、4GAMERでタッグを組んだわしゃがなTVで活躍されている人物です。
マルチなタレント活動の中で、PLAMAX Minimum Factoryにて自身もプラモデルになっています。(筆者もこの方の告知からこの雑誌を知りました)
ただこの人物を知っているのは、主に30代以上のオタク趣味の男性がボリューム層のはず・・・その層は、特にプラモ経験者が圧倒的に多いと思う為、プラモ趣味人口を広める雑誌にはしていないということでしょうか?
プラモデルはいろいろと面倒?
プラモは一般教養?
冒頭に話したように、世の男性は多かれ少なかれ、人生の中でプラモデルに1度は触れたことがあるのではないでしょうか。
触れたことの人にとっては、こういった世間の思い込みに触れた機会はないでしょうか。高齢者層にとっては数少ない玩具の1つとして。現在のボリュームゾーンの中間層には、こどもの頃から現在まで趣味として社会に定着しており、プラモデルは一般教養であるといった考えに触れたことはないでしょうか。
ジャンルの壁・技量の壁
今現在プラモデルを楽しんでいる人も、ジャンルの壁を感じたことはないでしょうか。ガンプラしか触ったことのないのに、車や戦車プラモの話はついていけない。
特にスケールモデルは、
- スナップフィットではないため、組み立てが難しい
- 塗装が前提の為、面倒
- 古参がうるさそう。といった
といったハードルがあったり、
近年一大ジャンルに成長している美少女プラモ、通称「美プラ」は、
- 組み立てるのが恥ずかしい
- プラモ以外のコンテンツがないからよくわからない
- 中国などの海外のよく知らないメーカー製など、互換性がわからない
という理由で手を付けていない人もいるのではないでしょうか。
組み立てて満足するだけなのに、色塗やら、撮影やらの話はついていけない。
そうやってプラモデルがめんどくさくなっている人はいませんか。
この本は、そんな面倒なプラモデルの世界を、すっぴんの状態からとらえた書籍です。
原体験を共有する書籍
プラモデルは長い歴史の中で深い文化を築いてきました。様々な遊び方や文化的価値を持ったプラモデルの中で、この書籍は、誰もが初めに持つ原体験にフォーカスしています。
この本を読めば、時代や環境の違う人々が共有することができる、プラモデルというおもちゃへのトキメキや、未知のおもちゃを封切りするときのワクワクを体験することができます。
「プラモデルは触ったことがなかったけど、この本を読んで楽しそうだと思いました。」
「ガンプラしか触ったことなかったけど、他にも面白そうなキットがあるのを知りました。」
こんなセリフをキめることのできる本です。
入門書の前のプラモの入り口に誘う本
プラモの初心者本というと、「初めてのモデラー入門」 のような初心者のテクニック集が圧倒的の中、この本はプラモという世界へ顔を向けてもらうための本です。
プラモへの理解を得るために
身近な人、同居人や別趣味の友人などにプラモデルを知ってもらうための足掛かりにこの雑誌は最適です。
プラモがわからない人と、とりあえずこの本を一緒に開いてみれば、同じ時間を過ごすことができるでしょう。「こんなものまでプラモデルになっているんだ!」という声が聞ければ儲けもんです。
初めてプラモデルを知るきっかけに
この本はグラビア雑誌で、文字を読ませる本ではないため、読むのではなくふと目に入れることで、広いプラモの世界を見渡すことができます。
- たまたま部屋に来た友人
- 彼女やパートナー
- 自分の子供
とても幅広い層へ手に取ってほしいそんな本です。
令和のプラモ雑誌
プラモデルは長い歴史を持っています。国内だけでも複数のメーカーがあり、コンテンツの隆盛とともに活躍してきました。
現代ではコンテンツとは別の独自ブランドとして美少女プラモや、人物キャラクターのプラモ。これまで機械や建築のみだったものが、動物や実在する人間までもがプラモデルになっています。
今後、新たなプラモブームが起きてトレンドや市場規模の大きな変動が起きないと誰も言い切れない時代において、プラモデルの幅の広さを切り取った本書籍は、その歴史の証言者になるでしょう。
プラモ趣味を見渡してみよう
プラモデルのジャンルの壁をとっぱらい、プラモデルのハードルを下げて、身近な趣味に近づけてくれるそんな書籍です。
ぜひ、手に取ってページを眺めてください。
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